鏡を見るのが嫌になった時期の話

正直に言うと、一番しんどかったのは
抜け毛が増えた時でも、薬を飲み始めた時でもない。

「鏡を見るのが嫌になった時期」が一番きつかった。

朝の洗面所。
なんとなく前髪を触る。
「あれ、こんな薄かったっけ?」

最初は気のせいやと思いよった。
でも風呂上がり、濡れた状態の頭を見ると、はっきりわかる。

「あ、進んどるやん。」

その時ふと思った。

なんで俺なん。
なんで周りはフサフサなのに、俺なん。

俺はフサフサな人生歩めんのかって、
本気で思いよった。

別に命に関わることじゃない。
でも毎日見る自分の頭やけんね。

地味に削られる。

帽子をかぶれば隠せる。
ストリート系やけん違和感もなかった。

でも家の中では誤魔化せん。

誰も見てないのに、
鏡の前の自分からは逃げられん。

写真も嫌やった。
正面から撮られるのが怖かった。
集合写真では、無意識に後ろに下がっとったと思う。

あの頃はずっと、

「まだ大丈夫」と
「もうヤバい」の間を行ったり来たりしよった。

ハゲが嫌なんじゃなくて、

自分が自分を認めきれん感じが
一番しんどかったんやと思う。

でも、あの時ちゃんと向き合った。

3ヶ月後、
「あれ?」って思えた瞬間があった。

その時、鏡を見る怖さが
少しだけ軽くなった。

もし今、
鏡見るのが嫌な人がおるなら、

それは気にしすぎでもないし、
弱いわけでもない。

ちゃんとしんどい。

俺も通った道やけん。

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