正直に言うと、
若ハゲで一番しんどかったのは「薄くなったこと」そのものじゃなかった。
隠し続けてたことが一番しんどかった。
22歳くらいから気になり始めて、
治療も始めたけど、心の中ではずっと焦ってた。
気づいたら、ほぼ毎日帽子をかぶるようになってた。
もともとファッションはストリート寄りやったし、
キャップやニット帽は普通にコーデの一部。
だから、うまいこと“隠せてた”。
周りから見たら、ただのファッション。
でも自分の中では、明確に意味が違った。
見られたくなかっただけやった。
もともと俺は坊主が好きやった。
若い頃は自分から坊主にしてたし、
「潔くてええやん」って思ってた。
でも、薄くなってきてからの坊主は違った。
好きでしてたはずの髪型が、
だんだん「似合わん気がする」って思うようになった。
同じ坊主なのに、
自分の中での意味が変わった。
選んでるんじゃなくて、
“仕方なく”に近くなっていった。
帽子は安心やった。
かぶっとけば見えん。
かぶっとけば気にせんで済む。
彼女もそんな自分を受け入れてくれてはおった。
何か言われたこともないし、否定もされたことはない。
でも、それでもどこかで思ってた。
「ほんまはどう思っとるんやろ」
「気遣わせとるんちゃうか」
言葉にされてなくても、
自分の中の不安は勝手に膨らむ。
家帰って帽子取る瞬間が一番きつい。
鏡を見るとき、
「あー、やっぱりな」ってなる。
隠してる時間が長いほど、
現実を見る瞬間が重くなる。
今振り返ると、
ハゲてることよりも、
人の目をずっと気にしてた自分
の方がしんどかった。
薄毛そのものより、
自信が削られていく感じ。
これが一番効いた。
もし今、帽子で隠してる人がおったら、
その気持ちはめちゃくちゃわかる。
隠すのが悪いわけじゃない。
でも、
ずっと隠し続けると、
髪の量以上に、
自分の気持ちが減っていく。
若ハゲで一番しんどかったのは、
髪じゃなくて、
隠し続けてた時間やった。

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